デジタル化の時代に伴って、ほとんどの事業者がWebサイトを用いて集客やブランディングを行うようになりました。これまで、チラシや紹介で依頼を受けていた建築業においても、今ではWebサイトを用いたマーケティングが必要不可欠です。
デジタル化の時代が進む中でも、ネットについての知識がないからWebサイトを作ってこなかった方や、なんとなくホームページを開設してみたけど運用方法がわからなくて放置している方もいると少なくないでしょう。
この記事を読めば、建築業でWebサイトで集客するために気をつけておきたいポイントや、成功しているWebサイトの特徴がわかります。建築業でもWebサイトで集客ができますので、是非参考にしてみてください。
急速に進む建築業のデジタル化
消費者のほとんどがインターネットを利用しており、生まれたときからインターネットがあるデジタルネイティブと呼ばれる世代も増加してきました。
ネットで知りたい情報を調べたり、欲しい物を買ったりするのが当たり前の時代へと変化したことで、Webサイトの必要は今後もさらに強まります。建築業においても、顧客が建築業者を調べたり選んだりする際は、インターネットで検索してホームページを見るのが一般的になりした。
下記のグラフは平成30年通信利用動向調査報告書(企業編)です。下記のグラフによると、事業者の91.8%以上がホームページを開設してマーケティング活動をしています。産業別で見たときに、建設業は96.7%で産業の中で3位の開設状況です。
参考:総務省『平成30年 通信利用動向調査報告書(企業編)』
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_002.pdf
建築業では9割以上の事業者がホームページを開設しているにもかかわらず、Webマーケティングで成功した事例が少ないのが現状です。様々な原因が考えられますが、この現状から、Webマーケティングにあまり力を入れている事業者が少ないことや、Web領域では競合他社が少ないことが推測されます。
建築業は一件あたりの受注単価が高いので、顧客から依頼を受けるには自社の信用性の高さが鍵となります。これまでの受注手段は、チラシや知り合いの紹介が一般的でしたが、今ではネットで検索して自社を知ってもらうことの方が多いです。そんな時に信頼されるWebサイトを持っているかいないかで、集客数は大きく変わります。
集客できないWebサイトの特徴
上記で説明したように、建築業のホームページの開設状況は高いにもかかわらず、Webマーケティングで成功した事例があまりありません。Webサイトを効率的に利用することで、これまでリーチできなかった顧客にアプローチできたり、顧客をファンにすることでリピート客が増加したりする効果があります。
成果の出るWebサイトを運用するために、集客効果の低いWebサイトによくある特徴を紹介します。これからWebサイトの開設を考えている方は、以下の項目に注意するだけでも成果は大きく変わります。また、自社のWebサイトがうまくいかずに悩んでいる方は、自社のWebサイトが以下の項目に当てはまっていないかチェックしてみましょう。
Webサイトが顧客に見られていない
成果の出ていないWebサイトに特に多いのが、Webサイトはあっても見られていないパターンです。企業名で検索しても検索順位の上位に表示されていなくて、見つけてもらえていないことが考えられます。
これまでは、顧客は営業やチラシで気になったら、電話やメールで問い合わせていましたが、今では顧客は興味を持つと、問い合わせる前に一度ネットで調べる過程が入るようになりました。このように、顧客はとにかくネットで調べ、その企業の信用性やサービスのクオリティを図るようになりました。
こうした消費行動の変化において、検索結果で上位に表示させることが必須条件になりつつあります。Webサイトを見てもらうためには、まずSEO対策をしなければいけません。SEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワード検索をした際に、検索結果の上位に表示されることを目的とした施策です。
SEO対策を行うことで、顧客の離脱を防ぐだけでなく、新規顧客の獲得にもつながります。
顧客の求める情報がホームページに載っていない
ホームページを作成しても顧客が求めている情報が記載されていない、もしくはわかりにくサイトでは、顧客に安心感を与えられません。顧客にとって価値のある情報を簡潔にわかりやすく伝えることが重要です。
そのためには、まず顧客がどういった情報を求めているのかや、どんな悩みを抱えているのかを具体的に想像する必要があります。顧客自身でも気づいていない、潜在的なニーズに応えるのが理想のサイトです。
Webサイトは、SEO対策で多くの方に閲覧してもらうだけでなく、見に来た顧客の欲求を満たして受注につなげることを目的としています。
Webサイトの情報を更新していない
Webサイトを開設してから、情報を更新していないWebサイトがよくあります。これも顧客の欲求を満たせないWebサイトの特徴のひとつです。
サイトを見に行っても画像が古かったり、かなり前の情報で止まっているサイトでは、その企業が今でも事業をやっているのかわからないですし、顧客もこの企業に依頼して大丈夫か不安になります。
常に新しい情報を記載し、定期的なアップデートや更新は欠かさず行うようにしましょう。Word Pressのように、管理や更新が自分でも簡単に行えるツールもたくさんありますが、自分ではできる自信がない方はプロの業者に依頼するものひとつの手段です。
Webサイト以外のコンテンツを利用していない
認知度が足りず、Webサイトの閲覧数が少ない企業の特徴として、Webサイト以外のコンテンツを活用していないことが多いです。Webサイト以外のコンテンツを効率的に利用することで、その他のコンテンツから直接受注につながる場合もありますし、コンテンツ経由でWebサイトの閲覧数が伸びることもあります。
Webサイト以外にも、SNSやオウンドメディア、リスティング広告など、様々なデジタルコンテンツがあります。集客に使うコンテンツもあれば、販売促進に使うコンテンツもあります。コンテンツによって得意分野や使用目的が異なりますので、それぞれ適した用途で活用することで成果が発揮されます。
集客効果のあるWebサイトに必要な要素
建築業や飲食店、アパレルショップなど、業種によってWebサイトに求める役割や機能は違います。それでは、建築業のWebサイトの場合は、どのような役割が求められるのでしょうか。上記では、集客効果の低いWebサイトの特徴を紹介しましたが、下記では成功している建築業のWebサイトの共通点をまとめました。
成果の出るWebサイトの特徴を取り入れて、顧客が満足するWebサイトを作りましょう。
写真・動画でイメージをわかりやすく伝える
建築業のWebサイトでもっとも重要なポイントが、写真や動画を大きく使って自社のイメージを視覚的に伝えることです。最初のトップページに、写真や動画、イラストなどのイメージで自社の雰囲気が伝わるものを表示させましょう。
人の第一印象と同じように、ページを開いて最初に表示される部分(ファーストビュー)は非常に重要です。ファーストビューによって他のぺージの閲覧数や、サイトの滞在時間が大きく変化すると言われております。
Webサイトでしっかりと集客を狙いたい方は、フリー素材などでなく、Webサイト用に撮ることもおすすめです。
スマホに対応した見やすいデザイン
スマートフォンをひとり一台持つ時代になり、ウェブサイトもスマホで閲覧する方が多くなってきました。そんな時代の中で、スマホで閲覧したときに、ストレスなく見れるデザインかどうかは非常に大切なポイントです。
PCやスマホ、タブレットなど、いろいろな大きさの端末があるので、各種画面の大きさに合わせたサイトレイアウトが必要です。また、スマホ一台で完結できるように、スマホでも問い合わせできるような導線を確保することで、スマホからの受注も多くなります。
これまでの実績で信頼性の高さを示す
自社の信頼性の高さを示すために、過去の実績は必ず目立つように表示しましょう。建築業は、人が過ごす空間作りを任される業界なので、顧客にとって信用の高さや安心感は最も重要です。
ホームページは、顧客の不安をいかに取り除けるかが、受注につながる大きなポイントになります。
過去の実績だけでなく、お客様のリアルな声を載せることもおすすめです。実際のお客様の声は顧客にとって大きな安心につながりますし、他社との検討材料にも役立ちます。
家造りで役立つ情報も発信
自社の企業概要や実績だけでなく、顧客が継続して見たいと思うWebサイトにすることで、自社のファンを獲得します。ファンが多ければ多いほど、短期的な効果ではなく、長期的な効果が見込まれます。
「マイホームを買うときに注意しておきたいポイント」や「買ってみたら不要だった家の機能10選」などを顧客の知りたかった情報を発信するのもひとつの手段です。
顧客の悩みを解決する内容が、顧客にとって価値のある情報といえます。コンテンツで情報を発信するときは、顧客の立場で考えることで、成果のでるコンテンツになります。
Webサイトで集客するためのポイント
Webサイトを作るだけでは、なかなか集客にはつながりません。Webサイトを開設し、いろいろな工夫をすることで、集客効果が現れます。
これから紹介するポイントを押さえて、効果的なWebサイトを運用しましょう。
その他コンテンツも複合的に利用する
Webサイトだけでなく、その他コンテンツも効率的に利用することで総合的に大きな成果が発揮されます。すべてのコンテンツで同じ内容を発信するのではなく、コンテンツの特徴に合わせた内容を発信することで、結果的に大きな効果が生まれます。
例えば、Webサイトの他に公式LINEアカウントとTwitterを運用したとします。Twitterは拡散力が魅力のコンテンツなので、幅広い人に知ってもらい、興味を持ってもらうことが目的です。Webサイトでは、Twitterで興味を持った方に自社について詳しく説明します。そして公式LINEアカウントでは、顧客だけの特別な情報を発信し、ファンへと育てます。顧客はTwitterで興味を持ち、Webサイトで自社について詳しく知り、公式LINEアカウントでファンになる。顧客の段階によって適切なコンテンツを活用することで、顧客獲得から受注までが自然に行えます。
新規顧客獲得からファン獲得までの一連の流れを、コンテンツごとに最適な見せ方をすることで、相乗効果を発揮し大きな成果を得られます。
Webサイトを継続的に運用する
Webサイトを開設して満足してしまう企業が多いですが、WebサイトをはじめWebコンテンツは継続的に運用しなければ、あまり意味はありません。
気になった企業のWebサイトを開いてみて、古い実績や昔の投稿で終わっていたりすると、それ以上そのWebサイトを見ようとはあまり思わないですよね。
たとえ他のコンテンツでWebサイトに多くの人集めても、全く更新されていないWebサイトでは、かえって不安を煽ってしまうこともあります。
常に最新の情報が載っているWebサイトは、今でも企業がWebマーケティングに精力的に取り組んでいる証拠になります。継続的にコンテンツを運用しているだけでも、顧客にとっては、大きな信頼につながりますので、コンテンツの更新は常に心がけましょう。
建築業でWebサイトを使って集客するために
生まれたときからインターネットがあるデジタルネイティブ世代が今後も増加する状況で、Webサイトの必要性は今後一層高まります。建築業においても、Webサイトを開設するだけでなく、効果的な運用が必要不可欠です。
顧客がWebサイトを見たいと思った時に見つけやすいようSEO対策を行い、Webサイトの中身を常に新しくしておくことで、顧客にとって価値のある情報を提供しましょう。
また、Webサイト以外のコンテンツを目的に沿って効果的に活用することで、相乗効果が発揮され、Webサイトからの受注も一層増加することが期待されます。